サッカーのシステム論!3-5-2と5-3-2で違いはある?

攻守

3人のセンターバックと両サイドのウイングバックによって構成されているフォーメーションに3-5-2システムがあります。2トップの後ろにトップ下が置かれ、ボランチが攻守の土台となります。多くのチームはダブルボランチを採用していますが、アンカーを1人置いてトップ下の選手を2人配置するチームもあります。アントニオ・コンテ監督は1ボランチ、2シャドーの中盤を好んで採用してきました。

3-5-2と5-3-2はシステムとして違いがありません。ウイングバックが低いポジションをとり、センターバックと同じラインにまで下がってくると5-3-2と呼ばれます。逆に、ウイングバックがポジションを高くとれば3-5-2になります。試合中、攻撃時は3-5-2、守備時は5-3-2になるチームもあり、両者を明確に線引きすることは困難です。ウイングバックには攻守における豊富な運動量と状況判断能力が求められます。

日本で3-5-2システムが有名になったのは、2002年の日韓ワールドカップを率いたフィリップ・トルシエ元日本代表監督がチームの基本としたからでした。当時の戦術ではウイングバックにボランチとしてプレーしてきた選手を置いたり、センターバックに本来サイドバックの選手を起用したりするなどして、全体の流動性が重視されていました。その後もミハイロ・ペトロヴィッチ監督がサンフレッチェ広島、浦和レッズなどで3-5-2を用い、結果を残しています。現在でも、Jリーグではもっともスタンダードな陣形のひとつであり続けています。